某魔法学園専用ブログ。小ネタやらシリアスやら、垂れ流し予定。魔法学園の生徒さん以外はカオスなメインブログへどうぞー!
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ここは、ルーメペンナのとある村。
国の中でも忘れさられたような辺境の地。
その村の更に山奥に、その家はあった。
朝の目覚めは、最高とは云えなかった。
いや、そもそも【朝】と呼ぶには、時間が遅い。
既に【昼】の時間だ。
「・・・・・・・んー・・・・・」
がしがしと髪を掻きまわしながら、とりあえずはシャワーでも浴びようかと浴室へと移動する。
心もち、熱いかなと思うお湯で髪と身体を洗うと、漸く、覚醒してきた。
乱暴にタオルで髪の水気を取りながら、浴室を出、ついでに台所から水を一杯酌んで喉を潤しつつ、さて、今日の昼ご飯はどうしようか、などと考えている。
「さて・・・・・・と。 食材は、何が残ってたかねえ」
ひとり分の食事を作るのも面倒くさい。
「はあ・・・・・・どうしたもんかな」
開け放した窓からは、涼しい風が吹いてくる。
季節は既に夏の筈だが、この家の周囲はまだ夏は遠いらしい。
暦は、何時の間にか一年の半分を越えてしまった。
─────あの子がここを出て行ってから、もう何か月経ったんだっけ?
そんな事を思いながら、パンとミルクと目玉焼きと云う簡素すぎる食事を摂っていると、コンコンとノックの音が。
「なんだ? ったく・・・・・誰だい、こんな時に」
食事の途中だったこともあり、いささか不機嫌な様子でドアを開ける。
「はいはい、どなたー?」
ドアを開けた先にいたのは、顔なじみの郵便配達。
「やあ、セライナさん、こんにちは。手紙が届いているよ」
「手紙?」
差し出されたのは、【手紙】と呼ぶには、少々御幣がある厚みのある封筒。
差出人の名前はない。
けれど・・・・・・・自分に宛てた手紙の差し出し人には見当がついた。
ましてや、この字には見覚えがある。
まだ何か話をしたそうな郵便配達を半ば追い払うようにして仕事に戻らせ、食べかけだった食事も忘れて自室へ戻ると、手紙の封を切る。
それは、思った通り、あの子からの手紙で。
どうしたのかと思えば、意外な事が書いてあり・・・・・・驚くやら、嬉しいやら。
水色の便箋に綴られた言葉は、誕生日おめでとう。
ああ、そういえば、もうそんな時期だったか、と。
他人事のように思って。
あの子がいた時だって、特に何かをしていた訳ではない。
もとより、暦など気にしていない生活だったから。
誕生日は知っていたけれど、その日が明日なのかもう過ぎてしまったのかは、町に出るまで判らなかったから。
だから、ああ、誕生日だったのかと、手紙で知った位だ。
勿論、ソレンティアから手紙が届くのには日数がそれなりに掛るから、もしかしたら既に誕生日は過ぎているかもしれないけれども。
便箋に綴られた「お誕生日おめでとう」と共に、届けられた沢山の栞。
それのひとつひとつには、秋から春の花の押し花。
どれも、あの子が自分で摘んだ花や、店で買ったものらしい。
僕が入学してから今日までに作った押し花で作ったんだよ、と説明書きがあって、思わずその様子を想像して笑みが零れた。
そういえば、あの子がここから出ていった時は、丁度あの子の誕生日前だったっけ。
去年はなんだかんだで、何も祝えなかったから。
今年は、ちゃんとお祝いを贈らないといけないねえ。
そんな事を思いながら、沢山の栞を大事に引き出しにしまう。
後日、セレウスの元にプレゼントのお礼が届くのだが、それはまた、別のお話。
国の中でも忘れさられたような辺境の地。
その村の更に山奥に、その家はあった。
朝の目覚めは、最高とは云えなかった。
いや、そもそも【朝】と呼ぶには、時間が遅い。
既に【昼】の時間だ。
「・・・・・・・んー・・・・・」
がしがしと髪を掻きまわしながら、とりあえずはシャワーでも浴びようかと浴室へと移動する。
心もち、熱いかなと思うお湯で髪と身体を洗うと、漸く、覚醒してきた。
乱暴にタオルで髪の水気を取りながら、浴室を出、ついでに台所から水を一杯酌んで喉を潤しつつ、さて、今日の昼ご飯はどうしようか、などと考えている。
「さて・・・・・・と。 食材は、何が残ってたかねえ」
ひとり分の食事を作るのも面倒くさい。
「はあ・・・・・・どうしたもんかな」
開け放した窓からは、涼しい風が吹いてくる。
季節は既に夏の筈だが、この家の周囲はまだ夏は遠いらしい。
暦は、何時の間にか一年の半分を越えてしまった。
─────あの子がここを出て行ってから、もう何か月経ったんだっけ?
そんな事を思いながら、パンとミルクと目玉焼きと云う簡素すぎる食事を摂っていると、コンコンとノックの音が。
「なんだ? ったく・・・・・誰だい、こんな時に」
食事の途中だったこともあり、いささか不機嫌な様子でドアを開ける。
「はいはい、どなたー?」
ドアを開けた先にいたのは、顔なじみの郵便配達。
「やあ、セライナさん、こんにちは。手紙が届いているよ」
「手紙?」
差し出されたのは、【手紙】と呼ぶには、少々御幣がある厚みのある封筒。
差出人の名前はない。
けれど・・・・・・・自分に宛てた手紙の差し出し人には見当がついた。
ましてや、この字には見覚えがある。
まだ何か話をしたそうな郵便配達を半ば追い払うようにして仕事に戻らせ、食べかけだった食事も忘れて自室へ戻ると、手紙の封を切る。
それは、思った通り、あの子からの手紙で。
どうしたのかと思えば、意外な事が書いてあり・・・・・・驚くやら、嬉しいやら。
水色の便箋に綴られた言葉は、誕生日おめでとう。
ああ、そういえば、もうそんな時期だったか、と。
他人事のように思って。
あの子がいた時だって、特に何かをしていた訳ではない。
もとより、暦など気にしていない生活だったから。
誕生日は知っていたけれど、その日が明日なのかもう過ぎてしまったのかは、町に出るまで判らなかったから。
だから、ああ、誕生日だったのかと、手紙で知った位だ。
勿論、ソレンティアから手紙が届くのには日数がそれなりに掛るから、もしかしたら既に誕生日は過ぎているかもしれないけれども。
便箋に綴られた「お誕生日おめでとう」と共に、届けられた沢山の栞。
それのひとつひとつには、秋から春の花の押し花。
どれも、あの子が自分で摘んだ花や、店で買ったものらしい。
僕が入学してから今日までに作った押し花で作ったんだよ、と説明書きがあって、思わずその様子を想像して笑みが零れた。
そういえば、あの子がここから出ていった時は、丁度あの子の誕生日前だったっけ。
去年はなんだかんだで、何も祝えなかったから。
今年は、ちゃんとお祝いを贈らないといけないねえ。
そんな事を思いながら、沢山の栞を大事に引き出しにしまう。
後日、セレウスの元にプレゼントのお礼が届くのだが、それはまた、別のお話。
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